「いる」と「する」
京大の博士号をもつ著者の、臨床心理士としての悪戦苦闘を描いた本。
これがとても奥深い…(*´∀`*)ノ
「いる」って不思議だ。
カウンセリングを「する」、授業を「する」。 そうやって何かを「する」ことでお金をもらえる。それが僕の日常だ。
でもそれって、僕がそこに「いる」ことが前提となっている。
僕らは、自分になぜ「いる」ことが可能なのか、ふだんは考えもしない。魚が水のことなんか考えないように、犬が酸素のことを気にしないように、僕らは自分の「いる」を支えているもののことに気がつかない。そんなことは当たり前だと思っている。
デイケアにいると「いる」は簡単に失われてしまう。僕らは「居場所ってなんだろう」と考え始める。「いる」が難しくなったとき、僕らは居場所を求める。
ただ「いる」ためには、その場所は安心で安全でなければ、いられないんですね…。