ボケた者勝ち
昨日に続き、池田晶子さんから一部ご紹介。
若年性アルツハイマー病の女性が、TVで語っていた。『痴呆の人が語る心の世界』
数年内に完全に言葉を失い、死ぬと宣告された。
ここがどこだかわからない、今朝したことも思いだせない。
『過去も未来もわからないことの恐怖』
その人自身の最大の恐怖とは、自分が自分でなくなって死ぬことへの恐怖であるという。
「死ぬとき私は誰になっているのか?」
思いだしてみるといい。
我々、この世に生まれた時、まだ名はなかった。ただ自分であった。
その後、名が与えられ人は自分とはその名のことだと思っている。
では、名をつけられている自分とは何か。
先ほどの女性もアレコレ悩んだ末、過去も未来もわからないということは、実は幸福なことではないかと思うに至った。
過去の縛りや未来の憂いがないとは、現在しかないということ。
それが最も、幸福なことではないだろうか。