介抱人
主人公のお咲は、母親の借金返済のため『介抱人』として働く。今で言えば介護士。
様々なお年寄りの介抱をするも、やはり他人。踏み入れないもどかしさも。
人一人が寝付いたら、その世話は生半可なことではない。いかに手を尽くしても、いずれは弱り衰え続ける。ゆえに介抱している者は、虚しくなるのだ。
この時代、老いた親の面倒は当主が介抱するのが決まり。介抱を巡っての苦労、揉め事、気持の行き違いはどの家にもある。
だんだん体が衰えて、歩けなくなって寝付く。最期はゆっくりと消えていく。老いはゆっくりと坂を下っていくような感じ。老いてゆっくり死ぬ。ゆっくりもぽっくりも立派な往生。
お咲は最後に、不仲な母親に対して…。
おっ母さんが床に伏すようになったら、あたしがあなたを抱きしめるから。それまでいっぱい母娘喧嘩をしよう。
いつの時代も【介護】は変わらないのだ。今のように福祉やサービスが充実してない時代から、介護はあったのだと気付かされる(。>A<。)