しゃばけ
一太郎は、祖母が齢三千年の妖(あやかし)、人である祖父と結婚し母が生まれ、その一人息子。薬問屋の若旦那である。
人には見えない妖怪が見える一太郎。『しゃばけ』は、妖が登場する面白い話が満載🎶
でも涙がホロリとする、こんなお話も…。
桜の花びらの妖“小紅”は、人の姿で現れた。赤ちゃんから、あっという間にハイハイ。歩き出し、走り出す。
そう…小紅の寿命は《桜の花》と同じ。
「私は若旦那が大好きです」と微笑む小紅。
一太郎は、なんとか小紅を長く生かしておけないか悩む。妖怪が払えるという、お寺の寛朝に相談。
「無理だな、寿命が尽きる者をこの世に留める力はない。神、仏の領域だ。お前さんは小紅のためと言い、花を散らせまいとしておる。その短い生涯は初めから決まっておったのだ。小紅は己を嫌がってるのか?」
「花びらはこんなものだと言うんです」
人・猫・金魚にしろ、その命の長さは様々だ。ご神木など何百年も生き続けるし。しかし、己が生まれて死ぬまでを他と比べ、生きている間中なげいている生き物はいない。
一太郎が小紅に「もしも永遠に神の庭で咲いていられるなら、そうしたい?」と聞くと小紅は首を振る。
「私がいつまでも木に居座ったら、次の年の花も困ってしまうわ。新しい花びらが部屋に舞い込んできたら、遊んでやって下さいね」
それは小紅ではないが、小紅の妹。一太郎は涙を浮かべ、小紅を見るのです。
泣ける~(T-T) ポロリと泣けてしまう“ちんぷんかん”オススメです。